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英国発の海外ドラマ、映画、音楽を通して、英国社会・文化について語ります。

イギリスでの離婚の基礎知識② 離婚の申請

離婚は大変といいますが、国際離婚は本当に大変です。

私自身、1997年に結婚し、2011年に離婚しました。

周りに相談できる人もいなかったし、お金もなかったので、とにかく一人でいろいろ調べまくりました。

その結果、どうにか無事に離婚に漕ぎつけました!

イギリスで離婚する予定の方、離婚を考えている方のために、少しでもわかりやすくイギリスの離婚について、お伝えできればと思います。

 

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イギリスの離婚手続きの流れ

 

         ①離婚の申請

                   ⬇️

         ② decree nisi
  (ディクリー・ナイサイ=離婚の仮判決)

                   ↓

        ③ decree absolute
  (ディクリー・アブソルート=離婚判決)



日本では、協議離婚、調停離婚、裁判離婚と種類が分かれていますが、イギリスではすべての離婚を裁判所に申請することになり、裁判所の承認が得られて離婚成立となります。


離婚の手続きを開始する前に


英政府公式サイトの離婚についてのページを熟読すること!

これが最初のステップです。

必要な情報はすべてここに書かれています。

専門用語もあるので、難しいかもしれませんが、まずは一連の情報を読んでみましょう。


離婚の申請について

申請に必要なもの

  • 夫婦双方のフルネーム
  • マリッジ・サーティフィケート(marriage certificate=結婚証明書)の原本、または公式な写し
  • 婚姻後に名前を変更した場合は、その証明書も


配偶者がすでに別居している場合は、配偶者の新住所も必要になります。


離婚申請費用


離婚申請時に、申請費用 550ポンドを支払います。

支払いはクレジットカード、デビットカード。

申請書を郵送する場合は、チェック(小切手)も可能。


離婚申請方法

 

オンライン

最近、申請をオンラインで出来るようになったようです。

ただし、申請を本人が行う場合のみで、弁護士を使う場合は郵送のみになります。


郵送

弁護士を通す場合は郵送のみの手続きになります。



郵送の手続きの手順


① 申請用紙(divorce application form D8・別名ディヴォ―ス・ペティション (divorce petitionとも呼ばれる)を入手する。
申請する方は、アプリカントまたはペティショナ―(the applicant/petitioner )、申請を受ける相手=配偶者はリスポンデント(the respondent)と呼ばれます。

ディヴォ―ス・ペティションはこちらからダウンロード 

② 3部記入する。夫または妻の浮気が離婚の原因で、浮気相手の名前も申請書に記載する場合は、4部記入。

③ 最寄りのディヴォ―ス・センターに郵送する。
場所がわからない場合は、英政府公式サイトで調べることができる。

④離婚申請費用の支払いとして、チェック(小切手)を同封すること。
カードで支払う場合は、後日センターから連絡がくるので、その際に電話でカード詳細を教えることになる。



申請後の手順


ディヴォ―ス・センターが申請書を受領。

申請書の内容に問題がない場合は、

  • 申請書を受け取ったという確認書
  • センターの受領スタンプが押された申請書 一部
  • ケースナンバー(case number =整理番号)

が返送されます。

そして、配偶者の住所にも、

  • 申請書(ディヴォ―ス・ペティション) 一部
  • ケースナンバーが入った手続き確認書
  • アクノリッジメント・オブ・サービス・フォーム(acknowledgement of service’ form=送達受領書)

が送られます。


decree nisi(ディクリー・ナイサイ=離婚の仮判定)


離婚を申請した後、配偶者が異議申し立てをしなかった場合、次はディクリー・ナイサイを申請することになります。

これは、裁判所が離婚を手続きするにあたって問題がないことを認めるもので、この仮判定が出ると、ほぼ確実に離婚決定!

もし、配偶者が、離婚に意義申し立てをした場合は、少しややこしくなります。

その場合もディクリー・ナイサイの申請は出来ますが、あなたと配偶者の双方が裁判所に出頭し、裁判で話し合いを行い、それによって裁判官がディクリー・ナイサイを発行するかどうか、決定することになります。


ディクリー・ナイサイの申請


ディクリー’・ナイサイ用の申請書(D84) と申請書(D80)を書き込んで申請します。

ディヴォ―ス・ペティションに書いたことが正しいことを確認する書類は、5種類あるので、離婚の理由によって申請する用紙が変わるので注意しましょう。


ディクリー・ナイサイ申請が拒絶された場合
拒絶の理由が書かれた手紙が届きます。
次なる手続きとしては、状況をさらに詳しく書面で説明することを要求される、もしくは裁判所に出向いて説明するなどになります。



ディクリー・ナイサイの発行


裁判所がディクリー・ナイサイの申請を認めると、ディクリー・ナイサイが発効となる日時を記した手紙が届きます。

ここまで来たら、あともう少し!



ディクリー・アブソルート(decree absolute=離婚判決)


ディクリー・ナイサイが発行された後、43日間(6週間と1日)待たなくてはなりません。

その後、ディクリー・アブソルート(最終的な離婚判決)を申請することができます。


ディクリー・アブソルートの申請


ディクリー・アブソルート用の申請書(Form D36)を書き込んで申請します。


注意
  • 子供の養育について、そして財産・不動産の分与についての取り決めを、リーガリー・バインド(法的に効力を持たせる)するには、ディクリー・アブソルートを申請する前に手続きを終了しておくこと。
  • ディクリー・アブソルートは、ディクリー・ナイサイが発効になってから1年以内に申請すること。

 

子供の養育、養育費、財産・不動産の分与については、すべての内容をリーガリー・バインドしておくことをおススメします。

リーガリー・バインドしておかないと、単なる口約束になってしまい、相手がその取り決めを破っても、こちらは異議申し立てをしたり、訴えたりすることもできません。


ディクリー・アブソルートの証書が届く


晴れて、離婚完了!

お疲れさまでした!

これで離婚の手続きはすべて終了です。

発行されたディクリー・アブソルートの証書は大切に保存しておくこと。

将来、再婚する場合に必要になります。

 

配偶者から離婚申請をされたときは?

上記で説明したのと、逆のパターンで、
配偶者から離婚申請されたときの場合です。

① ディヴォ―ス・センターから、申請書(ディヴォ―ス・ペティション)などの書類が届く。
② 離婚に同意するか? 異議を申し立てるか? について、8日以内に返答。

返答しなかったら
  • 裁判所があなたの返答なしに、そのまま離婚裁判手続きを進める。
  • 裁判所があなた宛ての直接申請書を再送。その際の郵送料は個人負担。
突然の離婚の申し出に動揺して、
返答などしたくもないかもしれませんが、
申請書を無視して得になることは少しもないので、
同意か、異議申し立てか、どちらかにしても、
期日内に必ず返答しましょう。

離婚に同意するとき

アクノリッジメント・オブ・サービス・フォームに書き込み、8日以内に返送。

離婚に同意しないとき

アクノリッジメント・オブ・サービス・フォームに、離婚に同意しない旨を書き込み、8日以内に返送。
そして、別フォーム(Form D8B)に何故離婚に異議を申し立てるかの理由を書いて、21日以内に郵送。245ポンドの料金を支払う。

※ 配偶者の離婚申請に対して、こちらにも離婚する理由がある場合は、
こちらからも二重に離婚申請をすることも可能。
その場合は、同じようにディヴォ―ス・ペティションによって申請し、550ポンドを支払うことになります。

※ 双方から離婚申請が出された場合は、裁判になります。
双方裁判所に出頭し、離婚をめぐり話し合いをすることになります。

 

つまり、配偶者から離婚申請をされた場合、離婚の異議申し立てをすることはできても、異議申し立てをした場合は、こちらの時間やお金や労力が余計にかかるという仕組みになっているのです。

一連の手続きのなかで、ペティショナ―の方が、有利に手続きを進められるような印象を個人的に受けました。

リスポンデントは、かなり受け身な立場になります。

何となく離婚かも、という雰囲気になってきたら、先手必勝で、こちらから話を切り出すのもひとつの手かもしれません。


まとめ


いかがでしたでしょうか。

かなり難解で複雑な手順ですよね。

ただでさえ、精神的にダメージを受けているときに、これらの手続きを英語で、そしてすべて自力でやるには、大変な労力が必要になります。

もちろん、弁護士を雇えば、これらの書類の作成、裁判所との連絡など、すべての作業をお任せすることになるのでラクになります。

弁護士の料金は、ピンからキリまで。

離婚サービスとして、一括料金を出しているところもあります。

しかし、安いからといって選ぶと、あまり大した仕事をしてくれなかったり、後回しにされてなかなか手続きが進まないこともあります。

弁護士選びはとても重要なので、周囲の離婚経験者に紹介してもらったり、いろいろリサーチしてみるとよいと思います。


というわけで、今回はイギリスでの離婚の申請についてでした。


 イギリスでの離婚について、シリーズで書いています。↓↓

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