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イギリスでの離婚に関する基礎知識③ 子供の養育の取り決め

シリーズでお伝えしている、イギリスでの離婚に関する基礎知識です。

以前も書いていますが、私自身は離婚をまったくネガティヴにとらえていなくて、
離婚はポジティヴで前向きな選択だと思っています!

人生のリセット、仕切り直しです!


そうはいっても、離婚の手続きは複雑でストレスフル。

まして、イギリスで離婚するとなれば、尚更大変です。

離婚するにあたり、一番大変なのは子供に関する問題だと思います。

もし子供がいなかったら、さっさと離婚し、その相手ともう一生会うこともないかもしれませんが、子供がいたら、そうはいきません。

今回は、子供の養育の取り決めについて取り上げていきます。

主な情報は、英政府の公式サイト(2019年2月時点)を参考にしました。

www.gov.uk

 

 

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イギリス離婚での子供の養育は?

イギリスでは離婚後も父母両方が親権をもつ

日本では離婚時に父親か母親のどちらかに親権を決めると定められており、単独親権になります。

概して、子供は母親と一緒に暮らし、下手すると、離婚後は子供が父親にずっと会えない、なんていうケースもあります。

一方、イギリスでは離婚後も父母の親権は存続し、引き続き子供の養育に責任をもつということになります。

どちらかがDVだったり、アルコール依存、ドラッグ依存など、問題があったり、子供の身に危険が生じるような場合は、親権が持てない場合もありますが、よっぽどのことがない限りは、共同親権になります。

両親が不和になって離婚しても、子供にとっては関係なくて、父親は父親、母親は母親というスタンス。

これが、日本とイギリスの離婚の大きな違いです。

離婚時に求められる養育の取り決め


離婚を申請する際には、子供の養育をどうするかを取り決めなくてはなりません。

主なポイントは、このふたつ。

  • 子供はどこに住むか?
  • 母親と父親それぞれと、どのくらいの時間を一緒に過ごすか?


①夫婦間で話し合い → お互いが合意する

特に書面に残すという決まりはありませんが、
弁護士を使ってリーガリーバインド(法的に効力があるようにする)し、コンセント・オーダーとして記録に残すことをおススメします。

②夫婦間で話し合いう

合意できない 

メディエーション(調停人)と一緒に話し合う 

合意

③メディエーションで話し合う 

合意できない 

裁判を行い、子供にとってベストであろう選択として、裁判官が判決を下す。


判断の基準は子供の幸せ


イギリスでの子供の養育の取り決めは、子供の福利を中心に考えるのが基本です。

通常の場合、メイン・ケアラーmain carer (主に養育する親)は母親になることが多く、特に子供が小さい場合は、母親が断然有利になります。

子供が16歳以上になると、子供自身で決定することも可能です。


父親は平日仕事していることが多いので、毎週末の日曜のみ父親宅とか、隔週末の土日曜を父親宅とかいう取り決めが多いようです。

しかし、父親が自営業など時間がフレキシブルな場合は、一週間7日を完全に分けて、
日曜から水曜午前まで父親宅、水曜午後から土曜までを母親宅にしたり、一週目は父親宅、二週目は母親宅に住むなど、完全に二分割している家庭もあります。

これはそれぞれの家庭の状況によって、本当にいろいろなケースがあります。

イギリスでの養育費について


子供の養育の取り決めに加えて、養育費も話し合います。

養育費は、英語ではメインテナンスmaintenance といいます。

多くの場合は夫からメインケアラーである妻に支払われることになりますが、ケース・バイ・ケースです。

メインテナンスは、子供が16歳(大学などに進学した場合20歳まで)になるまで支払われます。

養育費の金額は、一定の決まりはありませんが、

  • 子供の数
  • 支払う側の親の収入額
  • 支払う側の親がどのくらいの時間を子供と過ごすか
  • 支払う側の親に他に子供がいるか


によって、変わります。

目安としては、給料額の10~20%といわれていますが、これもケース・バイ・ケース。

ちなみに、我が家の場合、メインテナンスは一切もらっていません。


子供と一緒に過ごす時間が、メインテナンスの金額に関係するので、例えば、前述のように、夫婦が7日間を二分割して養育する場合、差し引きゼロで、メインテナンスが発生しないこともあります。

つまり、子供と一緒に過ごす時間が多ければ多いほど、養育費を多く取れるということもあって、離婚時に、子供と一緒に過ごす時間をめぐって争うわけです。

もし、夫婦間で養育費について、合意が出来ない場合、チャイルド・メンテナンス・サーヴィスChild Maintenance Service という機関に相談できます。

英国政府の公式サイトに、養育費の計算ができるページがあります。
それを使って試しに計算してみましょう。

例)子供ひとりの養育費。
夫が妻に支払う。
夫側には他に子供がいない。
夫の給料は週650ポンド(およそ10万円)。

1)週に1~2日子供に会う場合

養育費は週67ポンド(およそ10,050円)

2)週に3日以上子供に会う場合

養育費は週32ポンド(およそ4,800円)

という計算になりました。
単純に考えても、子供と会う日数が1日増えただけで、養育費が半減しました。

 

 

イギリスと日本はハーグ条約に加盟している


ハーグ条約加盟がどういうことを意味しているかというと、イギリス在住の日英カップルが離婚した際、日本人妻が子供を連れて日本に帰りたいと思っても、イギリス人夫が了承しない限り、子供と一緒に日本に帰るのは不可能ということです。

もし、夫の同意なしに、子供を日本に連れ帰ろうものなら、ハーグ条約に違反することになって大問題になってしまいます。

つまり元夫が認めない限り、子供と一緒に日本に帰国するのは事実上無理なのです。

ここの部分、知らない人が多いので、気をつけましょう!


シングルマザーの仕事探し


前述の通り、ハーグ条約のために、子供の父親の了承なしでは、日本人妻は子供を連れて日本に帰ることはできません。

つまり、子供と一緒にイギリスに残るわけですが、養育費のみで家賃や生活費を支払いっていくのは難しいので、妻も仕事して、生活費を稼がなくてはならないということになります。

ここで、英語があまり得意でなかったり、特にスキルがなかったりしたら、仕事探しは大変難しくなります。

それに加えて、イギリスでは小学校の送り迎えも必要。

近所に親戚や知り合い、友人がいれば、送り迎えも頼めますが、送り迎えを自分でやるには、朝9時~午後3時の時間帯のパートをやるしかありません。

もしフルタイムで働くとなると、イギリスでは日本のように鍵っ子が出来ないので
子供が小さいうちは、ナーサリー(保育園)、アフタースクールクラブ(学童クラブ)、チャイルドマインダー(子供を預かってくれる)など、チャイルドケアも考えなくてはなりません。

結局、給料のほとんどがチャイルドケアに消えたりすることもあります。

離婚の経済的、心理的な負担やプレッシャーがあまりに大きいので、それだったら、相手が嫌いになっても我慢して結婚生活を続ける、というカップルも多いのです。

残念ながら、これもイギリス人との国際結婚・国際離婚の現実です。


というわけで、イギリスで子供ありで離婚するのは、大変なのですが、でも、何とかなってしまうというのも事実。

イギリスではシングルマザーや離婚カップルが多いので、周りも普通に扱ってくれます。

そして、大きな声では言えませんが、イギリスの福祉政策によって、シングルマザーは、財政的に結構優遇されていたりします。

私自身も何とかやっているし、周りの離婚組の日本人女性たちも、みなさん、がんばって働きながら、子供を育ててます。

だいじょうぶ、何とかなりますよ!


 イギリスでの離婚について、シリーズで書いています。↓↓

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