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ザ・ストーン・ローゼズ『ザ・ストーン・ローゼズ』 ~ときめきと高揚に満ちた伝説のデビュー・アルバム

マンチェスター出身のUKバンド、ザ・ストーン・ローゼズのデビュー・アルバム『ザ・ストーン・ローゼズ』が、リリース30周年を迎えたというニュースをみました。

あれから30年って……時の流れを感じます。

ストーン・ローゼズといえば、90年代はじめに英北部マンチェスターから生まれた、マッドチェスター・ムーヴメントの中心的存在として知られています。

自分的には、「人生のなかのベスト・アルバムは?」と言われたら、トップ5のなかに必ず入れるほど、大好きなアルバムです。

そこで、今回はこの『ザ・ストーン・ローゼズ』を紹介しましょう。

 

ザ・ストーン・ローゼズ

ザ・ストーン・ローゼズ



セカンド・サマー・オブ・ラヴ、アシッドハウス、レイヴ、エクスタシー



まずは、ストーン・ローゼズが生まれた当時の英国の背景からいきます。

キーワードになるのは、セカンド・サマー・オブ・ラヴ、アシッドハウス、レイヴ、エクスタシー

80年代後半に英国で起きた若者文化のことを、セカンド・サマー・オブ・ラヴと呼びます。

元祖サマー・オブ・ラヴといえば、60年代後半のヒッピー・ムーヴメント。

両者に共通しているのは、音楽、ドラッグ、ラヴ&ピースの精神。

セカンド・サマー・オブ・ラヴでは、なかでもアシッドハウスと呼ばれるダンス・ミュージックが人気を集め、英国各地でレイヴと呼ばれるイヴェントが開催されるようになります。

週末、野外の農場や倉庫など、口コミで伝わる秘密の場所で行われるレイヴは、巨大なスピーカーから流れる音楽で、ドラッグをキメて朝まで踊りまくるというパーティ。

レイヴでは、DJと参加者たちが主役。

そして、エクスタシーも欠かせないアイテムでした。

バレアリックでクラブ・カルチャーの中心地となったイビサ島から世界中に伝わったといわれる、ドラッグのエクスタシーは、精神に多幸感、他者との共感などを起こすといわれます。

エクスタシーとレイヴが合体して、英国では一大ムーヴメントが盛り上がっていたのでした。


マッドチェスター・レイヴ・オン!



このセカンド・サマー・オブ・ラヴから派生したのが、マンチェスターを中心に起こったマッドチェスター(Madchester)・ムーヴメント。

一言でいうと、ロックとダンス・ミュージックのハッピーな融合。

ストーン・ローゼズと共に、ハッピー・マンデイズやシャーラタンズ、インスパイラル・カーペッツといったバンドが人気を集めました。

セカンド・サマー・オブ・ラヴ同様、マッドチェスターでは、ドラッグ文化も重要な要素。

そして、レイヴ同様、ライヴでは聴く者=オーディエンスが主役。

オーディエンスが踊るための音楽が次々と生まれていったのでした。


石と薔薇


といった背景のなか、1989年にリリースされたのが、この『ザ・ストーンズ・ローゼズ』。

当時の日本盤のタイトルは、『石と薔薇』でしたが、なかなかセンスのある邦題だったと思います。

60年代後半のバーズやビートルズを彷彿とさせるサイケデリックなメロディやギターに、ダンス・ビートを利かせたサウンドが斬新で。

マニとレニの強力なリズム、流麗なジョン・スクワイアのギター、そしてイアン・ブラウンのカリスマ性。

とにかく完璧なアルバムなのです。

“憧れられたい”とイアンが歌う、1曲目の「I Wanna Be Adored」。

ロック史上、最高の1曲目なのではないでしょうか。

そして、そのときめきと高揚は、2曲目以降も続き、「This Is The One」を経て、「I Am The Resurrection」で頂点に達し、そのまま永遠に渦巻いていくようなグルーヴに突入していくのです。

最初から最後まで、捨て曲なし。

メロディ、リズム、音、演奏、そしてストーン・ローゼズというバンドの姿が、完全な形で体現されているという、奇跡の一枚です。


私とストーン・ローゼズ


ここまで力説しておきながら、実は私、発売されてから、かなり出遅れて、このアルバムを聞きました

というのも、当時はUKギターバンドを離れて、ちょっとの間、LAメタルにはまっていた時期だったから💦

しかし、この『ザ・ストーン・ローゼズ』を聴いて、大衝撃を受けた私は、慌ててLAメタルを捨てて、UKバンドに復活。

以降、UKインディーギター一筋という青春を過ごすことになりました。


89年10月のストーン・ローゼズの初来日公演は、いろんな意味で衝撃的だったのですが、一番ショックだったのは、イアン・ブラウンの歌の下手さ💦

何しろ、当時ストーン・ローゼズはUKインディーロック界の期待の新星、泣く子も黙る存在でしたから、そのバンドの??なライヴを観て、不完全燃焼な、もやもやした気持ちだったのを覚えてます。

といいつつ、東京でもロンドンでも、当時通っていたインディーギター・クラブでは、ストーン・ローゼズの曲がかかるといつも大盛り上がりで、楽しく踊らせてもらってましたが。


初来日公演のもやもやが払拭されたのは、実に13年後。2012年に行われた再結成ライヴのことでした。

地元マンチェスターにあるヒートン・パークで、3日間にかけて行われた野外ライヴでしたが、もうこれがすごかったのでした!

始まる前から会場はタダならぬ雰囲気で、みんながそこいらじゅうで飲んだくれて、ハッピー・オーラが漂っている。

そして、ローゼズがステージに登場して、「I Wanna Be Adored」の演奏が始まると、観客のどよめきと興奮で、文字通り、会場が揺れたのです!

後は最後までみんなで大合唱。

知っている人も知らない人も、みんなが一緒になって歌って踊る。

最初から最後まで、バンドもオーディエンスもハッピー。

会場全体が愛に包まれてました。

私は、これまで何百回もライヴに行ってますが、後にも先にも、みんなが一体となってあんな幸せな気持ちになったのは、ローゼズのヒートン・パークだけ。

これが、セカンド・オブ・サマー・ラヴ、これがマッドチェスターの連帯感と多幸感なのか、と思い知らされたライヴでした。


英国北部マンチェスター出身の4人の若者たちが、「憧れられたい」という思いと、「俺が復活であり、命である」という大胆不敵なメッセージを引っ提げて、ほぼ素手で音楽業界に殴り込みをかけ、音楽史に残る一大ムーヴメントを築き上げた挙句、2枚のアルバムを残して、とっとと消え失せるというあっばれさ。

こうしてストーン・ローゼズは、伝説のバンドになったのでした。


今日もありがとうございました!

 
↓↓まずは、聴いてみてください!

THE STONE ROSES

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↓↓こちらは、再結成までの経緯を綴ったドキュメンタリー。

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