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イギリスの階級制度のお話

ご存知の通り、イギリスには階級制度というものがあります。
英語で階級のことを、クラス(Class)といいます。
イギリスのほかにも、ヨーロッパの一部の国には多かれ少なかれ階級制度が残っていますが、『一億総中流』とよく言われる日本で生まれ育った私たちには、少しわかりにくいものです。
そこで今回は、イギリスの階級制度について、簡単に紹介していきます。


イギリスの階級制度を大きく分けると

 

・上流階級(アッパークラス)
中流階級(ミドルクラス)
・労働者階級(ワーキングクラス)


の3つに分かれます。


アッパークラス(Upper Class)


公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵といった爵位を持つ人々やその家族たちで、その頂点にいるのが英王室とエリザベス女王
世襲貴族のほか一代貴族もいます。
代々受け継がれる土地や屋敷を維持するのは結構大変なようで、屋敷を有料公開したりホテルにしたりして、維持費を稼ぐ人も多いようです。
イギリス人全体のなかで、アッパークラスが占める割合はわずか1%といわれます。


ミドルクラス(Middle Class)

医者や弁護士などの専門職、経営者、教師、研究者、成功した自営業者、芸術家、管理職などが含まれます。
さらに、アッパーミドル(Upper Middle)、ミドル(Middle)、ロウワ―ミドル(Lower Middle)に細分化されます。

ワーキングクラス(Working Class)

ブルーカラー職、サービス業、単純労働・低所得のオフィスワーカーなど。

 

 

イギリスの階級制度の違い


イギリスでは、階級によって、仕事の種類や住んでいるエリア、趣味や嗜好、英語の話方が異なります。つまり、仕事や住所、趣味、アクセントがわかると、その人がどこの階級出身なのかわかるというわけです。
では、イギリスの階級をわかりやすく説明するために、独断と偏見と主観により、ざっくりとステレオタイプに分けていきます。
これは、あくまで架空の例で、イギリス人全員に当てはまるわけではないのでご注意を。


アッパークラスの家庭に生まれたチャールズさん

パブリックスクールイートン校からオックスフォード大学へ。
職業は外務省勤務。
クリケットやポロが好き。
慈善活動も熱心に行う。
趣味は日本の陶磁器を集めること。
愛読紙はタイムズ。
好みはクラシック音楽

アッパーミドルクラスの家庭に生まれたヒューさん

イレヴンプラス試験を受けて公立のグラマースクールに進学、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス大学へ。
職業はシティ(ロンドンの金融街)のファイナンシャル・アドバイザー。
趣味はバードウォッチング、テニス。
愛読紙はファイナンシャル・タイムズ。
好みはジャズ。


ミドルクラス出身のジョンさん

公立学校からロンドン大学ユニバーシティ・カレッジへ。
職業はPR会社のマネージャー。
趣味は観劇や美術館巡り。
ラグビー観戦が好き。
愛読紙はガーディアン。
好みはハウス・ミュージック

労働者階級出身のスティーヴさん

公立校からカレッジ(専門学校)へ進む。
職業はメカニック(自動車整備工)。
趣味は仲間とサッカーをすること。
愛読紙はミラー。
好きな音楽はロック。

ベネフィット(福祉手当)暮らしのトムさん

公立校を16歳で終え、アプレンティス(見習い)で工場勤務。
現在は失業中。
趣味はパブでサッカー試合を見ること。
愛読紙はザ・サン
好きな音楽はノーザンソウル。

 


また、階級によって住むところも変わります。
アッパークラスはカントリーサイドに好んで住む傾向にあり、アッパーミドルは郊外のポッシュなエリアに住みます。
ロンドンでいうなら、チェルシーケンジントン、ハムステッド、リッチモンドといった高級住宅街です。
労働者階級や移民は、カウンシルハウス公営住宅)や、治安は良くないけど不動産や家賃が比較的安いエリアに住みます。
しかし、同じ街のなかに、ポッシュなエリアと貧乏なエリアが隣り合わせになっている場合もあります。
映画『ノッティングヒルの恋人』の舞台にもなった高級住宅街のノッティングヒル・ゲイトと火災があったグレンフェルタワーのあるノース・ケンジントンがその例ですね。

このように、階級によって、その生活スタイルや生き方はガラリと変わっていきますが、おおむね、自分が生まれたバックグランドや親の職業が、将来の自分の職業や生活スタイルに大きく関係していきます、本人たちは特に不満もなく、そのままの階級を引き継いでいきます。
かつては、親の階級を超えることはほとんどないと言われましたが、現在では、ワーキングクラスに生まれても、努力した結果、自分の会社を立ち上げ、経営者として大成功し、ミドルクラスに格上げしたという、成功者もたくさんいます。
また、アッパー~アッパーミドルは、小さいときから高いレベルの教育を受け、大人になったら政治家や経営者などになり、政治や経済の支配者層としてイギリス社会をリードしていく責任があると叩き込まれています。
そして、そんな彼らをワーキングクラスの人々は、「別世界に住む人」と冷ややかな目で見て、お互い無視しながらも、別々の環境で、共存しているという感じです。

 

イギリス人の大半は労働者階級


ある調査によると、自分が労働者階級だと考えるイギリス人はおよそ60%、ミドルクラスはおよそ40%だったそうです。
結局、イギリス人のマジョリティは労働者階級なんですよね。

UKロックの世界の階級差も面白いですよ。
1970年代後半~80年代に人気を集めたパンク・バンド、ザ・クラッシュジョー・ストラマーは父親が外交官、本人もパブリックスクールに通ったというアッパーミドルクラス出身。
しかし、ワーキングクラスの代弁者として、絶大な支持を得ました。
親が芸術家・教育者でミドルクラス出身のデーモン・アルバーン率いるブラー。
一方、マンチェスター出身のオアシスは、コテコテのワーキングクラスで、ファッションもしゃべり方もワーキングクラスを代表するような存在。
この2つのバンドが、ブリットポップを代表する二大バンドとして比較され続けてきたのは面白いところです。
ミドルクラス対ワーキングクラス、北部対南部という、イギリス社会の構図がここから読み取れます。


いかがでしたでしょうか。
以上、イギリスの階級制度のほんの触りを紹介しました。

 

 

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